道具の扱い

2015年6月22日

備前屋の刃物の研ぎが一段落すると梅五郎は自ら陣頭指揮して、職人たちに普段使う砥石と道具を持ってこさせて、小籐次の前で研がせた。
「それでは刃先が立ち過ぎだな。もそっと砥石の面に平らにしてくれ。そう、角度は銭一枚が入るかどうかだ。それで研いでみよ」
「息を吸い、吐きながら、刃物を引き、押すのだ。動きは常に同じに保たれよ。おう、その呼吸だ」
「研ぎは根気仕事でな、倦まず弛まず無心に体で刃先を動かすのだ」
―佐伯泰英 酔いどれ小籐次留書より―

私は刃物を研ぐのが苦手です。いつまでたっても上手になりません。以前から出刃包丁で魚を捌いたり、彫刻刀で木彫をしたりと刃物を使うのは好きでした。でも研げないのでいずれ切れなくなり使えなくなります。仕方なく刃物屋に研ぎに出したりしました。
最初は自分で研げるようになろうと頑張りました。刃物に合わせた砥石を揃え、心を落ち着け倦まず弛まず根気よく研ぎました。でも全然切れるようにならないのです。自分では器用な方だと思っているのですが我ながら不思議です。以来研ぐことは諦めていたのですが、最近冒頭の時代小説を読んでまた練習をしようと思いました。ちなみに昨日刃物市を覗いていたら便利なものを見つけたので購入しました。銭一枚の角度を維持する小道具です。まあこんなものに頼るようでは上達するはずもありませんが。
職人は自分の道具の手入れが出来なければ一人前にはなれません。道具を大切に扱ってこそ一人前です。私も小道具に頼らずとも研げるようになるまで頑張りたいと思います。

先日、南砂町にあるマンションを訪ねました。
エントランスの隅の壁際に自在箒とモップが横にして置かれていました。
丁寧に扱っていることが一目で分かる置き方でした。
これを置いた人は清掃も丁寧にする人だろうと想像しました。
実際、建物の中を見ると綺麗に丁寧に清掃されていました。
道具の置き方に姿勢が表れる。これも清掃を魅せることだと思います。
この日はとても嬉しい気持ちでマンションを後にすることが出来ました。

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五月の連休

2015年5月30日

みなさんこんにちは
鮮やかな緑と爽やかな風で過ごしやすい季節です。五月の連休はいかが過ごされましたか。
出勤して頂いた方も多かったと思います。ありがとうございます。
我が家は家族みんな忙しそうでしたが私は何の予定もありません。二日間は洗濯したり掃除したりと家事をしていましたが、三日目あまりに天気が良いのでひとり散歩に出かけました。
下町の路地を散策しようと思い台東区根津に行きました。根津駅を降りると予想に反して大勢の人の波。特にあてもなかったので後をついていくと根津神社で「つつじ祭り」をやっていました。根津神社に行くのは初めてでしたが、なかなか立派な神社で屋台も出て賑わっていました。でもすごい人なのでお参りはせず人波を避けて谷中の方へ向かいました。しばらく行くと「大名時計博物館」なるものを発見しました。古い民家(というより手入れのされていない寂れた家)が博物館です。玄関から中を覗くと誰もいない暗い部屋に時計が展示してあり、ちょっと入りにくい感じです。結局見学はやめてまたぶらぶらと路地を歩き回りました。そろそろ昼です。お腹がすいたので「下町は蕎麦に限る」と勝手に決めつけ店を探していると、いかにも地元のスナックに「なつかしの昭和カレー」の看板を見つけました。外から中を覗うと清潔感のある店内です。客は誰もいませんが「なつかしの昭和カレー」に惹かれて食べることにしました。店をやっているのは、素敵なママとカイゼル髭のマスター。昭和カレーを注文し、出てきたのは見た目普通のカレー。名前の由来を尋ねると「専門店のように手の込んだものでなく昔から作っている普通の家庭のカレーだから。」との答え。なるほど。でもちょっと辛めの手作り感のある美味しいカレーでした。しばらくママとおしゃべりをしながら食事を楽しみこの日の散歩を終了しました。
知らない街を歩くのは子供の頃探検した気分を思いだしちょっとわくわくします。

根岸の路地 奥にまねき猫

 

さて話は変わります。
この春もエリア会を終了しました。多くの方に出席して頂きありがとうございました。
出席できなかった方もいるので少し振り返りたいと思います。
大和ライフネクストの方から素敵なエピソードの紹介がありました。
あるマンションにお住まいの小学5年生の男の子。
日常清掃員さんの明るく一生懸命な姿を題材に作文を書き「学年最優秀賞」をもらう。
お母様より『息子も喜んでいました。私もとても嬉しかったです。』とお話を頂きました。
お客様は私たちの一生懸命な姿をちゃんと見ています。これからもずっとその期待に応えたいと思います。

その為の方針です。

■会社凡事
「明るく笑顔で挨拶」を今期もよろしくお願いします。
■経営ビジョン
私たちは人・街・暮らしを元気にします
ひとりひとりが真心を込めて
お客さまに期待以上のサービスを提供していきます

「会社凡事」と「経営ビジョン」は今期も変わりません。
みなさん「ひとりひとり」の真心といつもお客様のことを考えている気持ちが大切です。
今期もよろしくお願いします。

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仕事の流儀

2015年3月22日

NHKに「プロフェッショナル仕事の流儀」という番組があります。
先日、「日本一の清掃員に密着」を見ました。
舞台は羽田空港。羽田空港は世界空港賞で「清潔1位」を受賞しました。その立役者を取材した番組です。以下番組のナレーション風に書きます。

主人公は新津春子(44才)。日本人の父と中国人の母をもつ中国生まれ日本人。現在は300人のメンバーの監督の一人で80種類もの洗剤を使い分ける、清掃の「職人」。中国に居る頃は日本人だから苛められ、日本に移り住んでからは中国人は帰れと苛められた。「私は何?」居場所がなかった。

17歳高校生の時から家計を助けるために清掃のアルバイトを始めた。

23歳の時羽田空港で働くことに。「自分にはこの仕事しかない。ならば究めてみよう。」と思い立つ。最初の上司は鈴木。厳しい上司だった。
どんなに頑張っても鈴木から認めては貰えなかった。新津は鈴木に認めてもらいたくてがむしゃらに頑張った。何年か経ち清掃の競技大会に出場することができた。新津には優勝する自信があった。だが叶わなかった。なぜ優勝できない?
「もっと心を込めなさい。」「心に余裕がなければいい掃除はできませんよ。」「余裕がないと相手に優しさがでないでしょ。」いつも鈴木に言われていた言葉。
自分は綺麗にしたい。でもこれは自己満足。新津は少し分かってきた。

空港の利用者は綺麗と思ってくれているか。
自分は邪魔にならない身のこなしが出来ているか。
目に見えないところまで気配りが出来ているか。
どこまでも利用する人の事を考え清掃と向き合おうと思った。
新津の流儀が変わった。「優しさで清掃する」。
心を込めないと綺麗にならない。どんな小さな汚れも絶対にゆるがせにはしない。

それから何年か経ち、また清掃の競技会に出場させて貰えた。新津は優勝し日本一になった。
そのことを鈴木に報告すると、「優勝することはわかっていましたよ。」生まれて初めて人に認められた瞬間だった。
新津は気が付いた。
心を込めて掃除をすると、利用者からご苦労様と声をかけて貰
えることに。
今は思う、清掃こそ「私の居場所」だと。

―終わり―

カッコいいですね!
さて、大和ライフネクストさんが毎月実施している理事アンケートの8月~11月の累計結果を見せてもらいました。
発注量の多い上位5社の中で大和ライフウィズがお客様満足度1位でした。昨年は中間くらいの順位でしたから大きな躍進です。
アンケートでのお客様からのコメントでは、お褒めの言葉が全体の73%、不満の言葉が27%と不満の言葉もまだまだありますが、多くのお褒めの言葉をいただいています。
その中でも「挨拶や笑顔が嬉しい」とのコメントが29%を占めています。
皆さんの日頃の頑張りと笑顔がお客様に届いているのだと思います。
ひとりひとりの力が合わさった結果です。ありがとうございます。
カッコいいです!

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