仕事を誇りに思う

2019年12月6日

来年開催の東京オリンピック。そのメイン会場として建設された新国立競技場が11月30日に完成しました。収容6万8千人、整備費1569億円、建築面積7万2400㎡、高さ47.4mの建物です。国産の木材をふんだんに使い、日本の伝統建築である「ひさし」を使って自然の風を取り入れ涼をとる設計となっています。延べ160万人の職人が1300万時間をかけて建設しました。

先日私はこの新国立競技場を見学させて頂く機会を得ました。この現場で働く職員の家族のための見学会に参加させて頂いたのです。当日は5000人にも及ぶ家族が来ていました。千駄ヶ谷の駅から競技場に近づくにつれ、その威容が迫ってきます。とにかく大きい。巨大なモニュメントです。よくこんな建物を人間は作れるものだと感心します。受付会場には仕事中のお父さんの写真が何百枚も張り出されています。普段家庭では見ることの出来ない真剣な表情をしたお父さんの姿に子供たちは見入っていました。会場内のあちこちには職員の皆さんが、見学に来た人を案内し写真撮影をしてくれます。子供はみんな大はしゃぎ。普通なら選ばれた人しか走る事の出来ない競技場のトラックを走り回っています。それをお父さんは嬉しそうに見ています。「どうだ、この競技場はお父さんが作ったんだぞ。すごいだろ!」きっとそう思っているに違いありません。この現場で働いた職人さんは、躯体工事、設備工事、内装工事など様々な仕事に携わった人達ですが、全員が「この競技場はオレが作ったんだ」と誇りに思っているに違いありません。いいですね。自分の仕事に誇りを持つ。これは大切なことです。建物は形に残るので分かりやすいですが、そうでなくとも仕事の意義や目的に共感し真剣に取り組めば自分の仕事を誇れるのだと思います。「仕事を誇りに思う」子供達にはお父さんの気持ちが伝わったでしょうか。子供が「自分も大人になったらお父さんみたいになりたい」と思ってくれたらお父さんは幸せだと思います。

見学会の当日はあいにくの雨でしたが、お父さん達の顔は日本晴れでした。

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